70.術前の焼肉屋事件 300mタクシー
(手術前々日)
手術日も決まり、
すでにまな板の鯉状態。
オペは、
先生にすべてをおまかせし、
その日を迎える前…っと。
投薬が終了して3週間後以降に、
術日が設定されることとなった。
ということは…投薬が切れる頃でもあり、
晩餐を楽しめる日でもある。
投薬が切れて、
味覚障害をようやく抜けたころ。
覚悟を決めて…病院ではなく、焼肉屋へgo!
MY壮行会ということで、
焼肉で元気づけをしようと、
パパと勇んで出かけた。
つらい抗癌剤治療を終了して、
気分は高揚し、
食べてやるぜ~的な戦闘モード。
肉好きのパパといざ決戦。
久々の焼肉モードで、
食うわ飲むわで、
ビールも進み、
すっかりご満悦。
満腹、満タン、ほろ酔い気分で、
夜風も気持ちよく、
店の外にでたら…
千鳥足、
あっちこっちとふらふら。
―― あれ?
そうたくさん飲んだわけではないけれど、
久しぶりのアルコールが回ってきたらしい。
この時、パパはトイレに行きたくなったと、
一足先に、私よりもはるかに先に家に着いていた…。
ふらふらが止まらないので、
近くの公園で一休みするが、
時すでに遅しで立ち上がれず、
またふ〜らふら~。
漸く公園を出て、歩道にでるが、
意識ははっきりしているのに、
足がいうことを聞かない。
千鳥足ってこのことなんだわ。
それから10分。その場に停止。
パパのスマホに電話をかけるが
出ない><
うそ〜〜〜〜ありえない。
(家についてからわかったのだが、
トイレに行った後、爆睡したそうな。
怒(-_-)/~~~ピシー!ピシ〜〜!)
次は、娘にLINEしたが、外出中。
「今、友達と遊んでいるから無理〜」
(この年頃、無理〜しかないじゃない)
結局、むなしくお迎えがない状態。
最後の手段、家まであと300mなのに、
前にも後ろにも進めない。
自分の身体じゃない状態。
ここでのたれ死には、本末転倒だ。
お迎えタクシー緊急出動。
ここで生まれて初めて使った
アプリ『全国タクシー』(日本版:Uber)で、
迎車をお願い。
現在地を伝えて、待つこと20分。
前を生きゆく通行人に怪訝な顔をされながら。
黒タクシーが、
公園横の歩道に座る私を、
迎えに来てくれた。
「どこまでですか?」
「すぐそこです。道案内しますので…(恥)。
角を右、そこを左…そこです」
所要時間3分ほどの距離。
「すみません。近くで…」
「大丈夫ですよ。
迎車料金とあわせて1860円です」
(絶句)
タクシー1メーターと迎車料金、セレブだ~。
とんだ焼肉壮行会の結末となった。
体調は万全と思っていたけど、
体がついていかずに、ギブアップ。
運悪く、家には誰も迎えに来てくれる人がいなかった><
さてさて、食い逃げしたのは、誰?
(彼は、すでに熟睡、夢の中…)
ようやく辿りついた玄関から、
一気にベッドに倒れ込み、
そのまま就寝。
手術前々日(2日前)のことでした。