⑥シロかクロか…さて判定はいかに?
さすがに推定容疑者扱いでの再検査だったので、
1週間後、ドキドキしながら、病院へ。
(ここまで調べても)生検をしても、まだシロという場合もある。
その場合、針の刺され損ということになるのだが…。クロよりはいい。
さらに、検査結果を聞くための予約をしていても、
すぐには辿り着けぬ診察室への長い長~い道。
予約してるけど、先生まで、1時間半。
ただでさえ検査結果って、待つ時間が長ければ長いほど、ドキドキが高まる!!!!!!じゃないですか?
やっと診察室に辿りついたものの、
その時は…あっけない。
「乳癌です(…………)」
そう、先生は何度も、何人にもシロです、
クロです、
(※クロとはいいません)
を患者さんに伝え続けてきたはず。
結果を伝えるお仕事はお医者さんのもっともいやなお仕事と思うが、
それを、より淡々と感情の起伏なく伝える
テクニックを要する仕事なのだろうなぁ
(そんなに深くは考えてなかったりして)。
そのたびにそうそう感情移入していては、体が持たないというものだ。
いやいや><
医学を極めた専門医だからこそ、冷静沈着に簡潔明瞭に伝えるのだよな~。
「はい。そうですか」
癌の宣告を受けた時から、
まるで自分のことじゃないように、
癌と伝えている先生を冷静に観察している自分がいたりする。
先生、どんな顔して言ってるんだろう?とか。
また、この検査結果の病理の判定文が、PCの画面に映し出される英文だから、
ちんぷんかんぷん。
先生の解説もむなしく、クロということだけが頭をめぐる。
この瞬間は、なんの知識もなく、あっけにとられているから怖くもない。
今思えば、この淡々とした先生の言葉が、かえってありがたかったのだった。